カスタム変数の活用方法~フィルタ条件利用~


今回は、Agentで利用できるカスタム変数のフィルターでの活用方法に関して記載しています。現時点ではそのフィルタが正しく機能しているかのテストを行う機能は備わっていませんので、あまり条件を複雑にせずシンプルな設定で活用することをお勧めします。
トピック選定の間違いが多い問題に対しての解決や、ChatBotのシナリオとのハイブリッド型の活用に利用できると思います。
※掲載画像や仕様は2025年5月現在のものです。

フィルタ条件を利用した際のイメージ

 

まずは全体像のイメージをお伝えします。Agentforceを触ったことがある方であればご存じだと思いますが、複数のトピックやアクションに対してどれを選択して実行するのかは、事前にAgentに設定した命令をもとにAgentが判断します。

しかし、どれだけ詳細な命令文を設定したとしても時として意図しない挙動を行うことがあります。複雑になればなるほどその実行順序や選択するタイミングを見極めることは困難になります。

そこで、上図のように利用できるトピックやアクションを制御することで意図しない挙動となる率を減らすことができます。

 

1,Agentとカスタム変数の作成

では設定してみましょう。まずはAgentとフィルタで利用するカスタム変数の作成を行います。今回は顧客からの要望(要件定義の実施)に対して先に情報収集を行ってから顧客の要望に対しての対応を行うようなAgentという想定で作成します。

AgentはServiceAgentを作成します。トピックは標準のものは使わない想定なのですべて外します。

トピックを用意します。例では4つ「1.顧客情報収集」「2.予算と対象製品の確認」「3.関係する部署とプロジェクトの情報収集」「4.情報収集」を作成します。

各トピックで行うことは下記です。

トピック1:氏名・会社名・メールアドレスの情報収集
トピック2:予算と対象製品の情報収集
トピック3:関係部署とプロジェクトの概要の情報収集
トピック4:現行業務フローの情報収集

 

次にカスタム変数を作成します。(コンテキスト→新規変数)

カスタム変数は適宜わかりやすい名前で作成してください。今回説明の便宜上「X1」と「X2」で説明を行います。

2,検索条件の作成と変数の割り当て

検索条件を作成します。トピック1~トピック4まで一つずつ作成します。(コンテキスト→検索条件→新規)

各トピックに検索条件を割り当てます。

そして、変数に値を格納するためのフローを作成します。変数設定には出力設定のこの個所に作成した変数の割り当てを行います。(こちらからでもカスタム変数の作成は可能です)この割り当てを行わないとカスタム変に値を入力することができないので何らかのAgentActionは必須です。

 

3,動作確認

では実際に動かしてみます。

↑トピック1終了時

↑トピック2終了時

↑トピック3終了時

↑トピック4終了時

各トピックの最後の出力で次にユーザが何を入力するべきか明示してあげる必要があります。そうしなければ「完了しました、少々お待ちください。」等の文言が出力されてしまいます。

 

4,検索条件利用時の注意点

なぜ変数を1つではなく2つ利用したかについて説明します。

各トピックの最後の出力の手前でAgentActionを呼び出し、変数に値を入れて条件の変更を行っています。

この時最後の出力のAgentの回答はあくまでそのAgentActionを行ったトピックの出力となります。そのためこの時点まではAgentActionを行ったトピックは利用できる状態(フィルタ条件を満たしている)である必要があります。現在のトピックの条件を変更せずに次のトピックの条件を満たすようにするにはもう一つ変数が必要になります。変数1つでもできないことはないですが、先に書いたようにフィルタが正しく機能しているかどうかテストできる機能がないため極力フィルタをシンプルにするためです。

↑トピック1の条件をX2がNullで設定した場合の例 トピック1の最終アクションでX2に値が設定されトピック2の条件を満たすが、同時にトピック1の条件を満たさなくなるためエラーがでる

 

5,まとめ

まとめとして、癖がある部分としては

・変数に値を入れるためには何らかのAgentActionが必要
・そのトピックを抜けきるまではトピックの条件は満たしておく必要がある
・各トピックの最後のエージェントの出力はそのトピックでの出力のため、次にユーザが何をすべきか明示する必要がある
・トピックの条件が正しく機能しているか確認する方法がない(Salesforceサポートへの問い合わせ回答結果)

が挙げられます。活用できる範囲で設定してみてください!

 

 

 

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