今回は、SalesforceのAIエージェント機能であるAgentforceを公開する上で欠かせない、「Agent API」と「MIAW API」の2つの経路の違いについてご紹介します。
どちらもエージェントとの対話を実現するための仕組みですが、そのアーキテクチャや使い勝手は大きく異なります。
用途に応じてどちらを使うべきか、ぜひ参考にしてください。
※掲載画像や仕様は2025年4月現在のものです
✅ SalesforceのAIエージェントには2つのAPI(Agent API / MIAW API)がある
✅ Agent APIは自由度が高く、カスタマイズ可能。ただし、すべて自前で実装が必要
✅ MIAW APIはUI開発が必要なく、有人対応との連携も可能。ただし、カスタマイズ性は低い
✅ スピード優先の導入ならMIAW API、独自のUI実装ならAgent APIを選ぶのがベスト
AgentforceのAIエージェントと直接やり取りできるのがAgent APIです。REST APIやSSE(Server-Sent Events)を通じて、セッションの開始からメッセージの送受信、終了まで一貫して操作できます。
まさに「ヘッドレス」な設計で、クライアント側のUIは完全に自前で作り込むことが前提となっています。たとえばカスタムWebチャットなどに組み込むことが可能です。
一方のMIAW APIは、メッセージングチャネルを経由して動作します。組み込みサービスリリースが事実上のエンドポイントとなり、オムニチャネルフローなどを介して、どのエージェント(Agentforce Service Agentまたは有人エージェント)に接続されるかが決定されます。
こちらはUIまで提供されているため、すぐにWebページへチャットを埋め込むことができ、あまりカスタマイズしなくても簡単に導入できます。
項目 | Agent API | MIAW API |
---|---|---|
設定 | シンプル | 少し複雑 |
接続方法 | REST API / SSEで直接接続 | メッセージングチャネル経由 |
UI | なし(ヘッドレス) | あり(組み込みチャットクライアント) |
接続先エージェント | 指定のAgentforce Service Agent | オムニチャネルフローで決定 |
有人エージェント | 不可(AIエージェント専用) | 可能(有人エージェントへのエスカレーションあり) |
カスタマイズ性 | 高い(自由なフロント実装が可能) | 低い(既存UIの範囲内) |
画面にチャットウィンドウを表示させるだけなら、MIAW APIが最適です。組み込みクライアントが用意されているので、スピーディーに導入できます。
AIだけでは対応しきれない場合に有人エージェントへ繋ぐ仕組みも簡単に実現できます。
Salesforceのエージェント機能を活用する際、
スピード感を重視するならMIAW API、カスタマイズ性を重視するならAgent APIという使い分けが基本です。
目的に応じた接続経路を選び、Agentforceエージェントとの対話を活用していきましょう!